「ね、着いてきてくれるよね?」
私は口を開いた「もちろんだよ」
君との出会いは突然だった、雷のように光るキラキラな笑顔は私の眼を貫いた。絶対に太陽なんかじゃない。太陽みたいに照らし続けるような笑顔なんかじゃ滅多なことでも起きない限り心を奪われない。
足が勝手に動いていた、雷の落ちた場所を見るために、雷のような笑顔を身近で感じるために。
お下げの私と、ギャルの君。全然界隈が違ってるから最初に話しかけた時は驚いたような顔をしてた。周りはみんな、口々に、「何こいつ笑」「急になんかきたんだけど笑キモ笑」と言っていたけど、君だけは違った。少し引きつってはいたけど、さっきみたいな雷みたいに激しい衝撃的な笑顔を私に向けて「どしたの?」と聞いた。
足が勝手に動いて、口が勝手に動いて、誤って話しかけてしまったようなものだったから、「どうしたの?」なんて聞かれてもコミュ障の私には何も答えられるわけがなかった。
でも何となくそれを君は理解してくれたの、よく覚えてるよ。
そこからだったかな、私は君によく話しかけるようになっていった。やっぱりコミュ障だから上手に話すことは叶わなくても、君はいつも私の言いたいことが手に取るようにわかるみたいで、会話には困らなかった。ほんとに話すのが下手でごめんね、いつも話しかけるくせに、結局ド下手で。会話のキャッチボールを上手に見せてくれてたのは君がいたからだよ。
うん、そうだね
これが君がよく言うエモいなんだね
後どのくらい掘ればいいかな?段々腕が上手く動かなくなってきたよ。スコップを持つ手も、緊張なのか寒さなのか疲れなのか分からないけど震えてきたよ。でもよく言うよね、警察犬でも見つけられないように、野生の動物に掘り返されないように、○体を埋めるなら20cm以上は深く掘らないとダメだって。体プラス20cm以上ってことだよね。だいたい50cmくらい掘ればちょうどいいのかな?
今何センチくらいだと思う?目分量的には30センチくらいだよね。1時間で30センチか...あと1、2時間はかかりそうだね。今が冬で良かったね。腐敗が進みにくいからバレにくいよ。
ところでさ、こいつって誰なの?
ぱみことの出会いはほんとに急だった。急に話しかけてきて、最初は引いたけど、私と話してる時の目のキラキラ感がすごくかわいく見えたんだ〜。
ぱみこはいつも私に話しかけてくれる。
話すのが得意じゃないって何となくわかってたし、結構価値観っていうの?それがあってたから言いたいこともよく理屈とかはわかんないけど理解出来てた。だから仲良くなるのは普通の事だったと思う。
あいつらはよくパミコのことバカにしてて。めっちゃイラついたけど、ここで怒ったことでパミコに何かあったら嫌だから黙ってた。
ある日の夕方、クラスの何回か一緒にカラオケとかイツメンで行ってた時にはちあったりだとかで絡みのあった男子に告られた。そりゃ嬉しかったけど、こいつよくパミコのことバカにしてんだよなーって思ったら普通にきしょく感じて。だからこっぴどく振ってやった。私があんたなんかと付き合うわけない。パミコのこと悪く言うやつなんて恋愛対象にならない。まじうざい。目の前から消えてくれね?って言った。自分でも酷いこと言ったかもな〜とは思ったけど、パミコのこと悪く言ってたししゃーなし。
この後どこ行こうかなって思いながらなんかまだほざいてるから適当にあしらってさ。パミコと出かけてまぢハッピーだったのになぁ。幸せは続かなかったよね。
この間告白してきたやつが襲いかかってきて笑本気で無理って思ったけど力では勝てなくて、どうしよって。まわりみて。ちょうど近くにあった石で殴っちゃったんだよね、頭。そしたらいきなり相手が倒れてきてめっちゃビビったんだけど、肩がじんわり暖かく濡れてく、っていうの?なんか違和感があって。男をどけて手で触ってみたら血がついてて...。その瞬間理解したよね。あ、私、○しちゃったんだ。って。
最初はそりゃ焦ったよ?でもパミコにLINE打ったらすぐに来てくれて、一気に安心しちゃって笑不謹慎だけど、なんかこいつが○んでくれたおかげでパミコとの仲がグッと近づいた気がすんだよね笑秘密のきょーゆー?きょうはん?わかんないけど、なんかめっっちゃエモいなって思ったわけ笑
だから一緒に運び込んだこれは、その時のやつだよ。
巻き込んでごめんね〜!笑
正直きみのためならなんだっていい。どんな犯罪をおかしても君とならなんだっていい。
今この瞬間も、汚い君も、汚い私も、汚くなった手も、汚くなったジャージも制服も土も全部全部、段々紺色から水色っぽくなる空も、本当に全部が
「それって、すごくエモいってやつだね。」